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李 河恩さん

李
李 河恩(イ ハウン)
文学研究科博士後期課程文化表現論専攻
スポーツ医科学研究プログラム
副専攻/高度副プログラム

―主専攻での研究内容についてお聞かせください。

文学研究科文化表現論専攻に所属していまして、現代日本語の感情表現について、主に新聞での使われ方を材料に研究しています。

 ―受講の動機についてお聞かせください。

博士前期課程の頃は、主専攻の授業が多かったのでプログラムを受講しなかったのですが、博士後期課程に入って卒業単位への負担が減り比較的時間ができたことが一つ目の動機です。また、日本語関連の勉強ばかりしていると学生生活がつまらなくなると思いましたので、専攻している日本語を活かして主専攻以外の新しいことを学びたかったというのが二つ目の動機です。

「スポーツ医科学研究プログラム」を選んだ動機としては、小さいときは陸上をやっていましたし、今も趣味でヨガをやっていまして、スポーツに興味がありましたので、せっかく博士後期課程で時間を割いてこういうプログラムをやるんだったら自分の好きなことをやりたいと思ったのが理由です。

 ―プログラムを受講しての感想をお聞かせください。

副プロの良いところは、他の専攻の内容を専門的に学べることだと思います。

授業全体の感想としては、受講当初は、履修しているのは医科学系の学生ばかりですし、留学生も私一人だけでしたので心配していたのですが、皆さん親切で助かりました。質問しやすい環境というか、何よりも先生方の質問への対応が非常によかったと思います。講義中に質疑応答の時間も十分取ってくださったので、わからないことがあれば十分やりとりすることができたのも、全く異なる専門の授業内容を理解する際に非常に役に立ちました。私はどちらかというとあまり質問しない学生でしたが、これらの授業を通して一気に先生とのやりとりや質問するということに抵抗がなくなり、主専攻の授業でも積極的に質問できるようになりました。

 <スポーツ医科学の個別授業の感想>

 ・疫学総論

両親が医療関係の仕事をしていて医学には少しなじみがあったので、なんとなく病気の名前は知っていたのですが、原因は何なのか、経過はどうなるのかは分からなかったんですけれども、「疫学総論」では、現場でどういう風にそれを研究者達が研究しているのか、どういう風に明らかにしていくのかといった、研究としての病気を見ることができたのは面白かったです。また、病院で働いている現役の方や研究員の方など、いろんな人と会えて、いろんな知識も学べました。

 ・医療情報学

主に病院の情報管理という立場から、阪大病院のカルテの話や医療情報をどうやって管理しているかなど、理論的な知識と現場の知識、両方を学べて良かったです。韓国で大学病院に通ったことがあって、小規模の病院とは異なるシステムを持ってるということなど、患者の立場からの知識はある程度持っていました。医療情報学では、真逆の、「日本」の大学病院の「管理側(医師など)」からのケースを学びまして面白かったです。

 ・スポーツ健康医科学

この授業では、スポーツと健康という身近な話題を学問的な立場から勉強しました。特に、WHOの資料や学術論文などの様々な資料を用いて、実例を取り上げながら説明してくださったので非常にわかりやすかったです。もし、わからないことがあったり、気になるところがあるといつでも質問することができて、より理解を深めることができました。

また、先生の講義だけではなく、どちらかというと参加型の授業だったのが、楽しかったです。一緒に授業を取った学生みんな積極的で、最後のプレゼンテーションではそれぞれの発表内容について活発な議論が行われました。

 ・スポーツ運動器医科学

スポーツ傷害に関して学び、解剖図を通して靭帯や筋肉、骨の構造などを理解しました。後半では、特に膝を中心に取り上げ、構造、損傷などについて学びました。特に、解剖図を用いて学んだ内容が頭に残っています。

 ➡ (上記の二つの授業では)手術の見学もしました。両方とも膝の手術で、一回は手術現場に立ち入り、もう一回は手術室ではない、外のモニターで手術過程を見ました。される側ではなく、する側の視点から手術を見るというのは、文系の人としてはなかなかできない、珍しい経験です。阪大病院の手術室はどのようになっているかはもちろんのこと、授業で学んだことを、実際手術を見ながら確かめることができました。

 ・スポーツパフォーマンス科学

スポーツ活動で行われるパフォーマンスを、計測、解析する方法を学びました。理論的なところはもちろん、動的バランス評価や、立位時の姿勢制御特性など、実際自分のデータを取って解釈し、他の人の結果と比較したり、自分のパフォーマンス能力はどうかというのがわかったので、とても面白かったです。

実は、データの計測、解釈の仕方が私にとってはとても難しくて苦労しましたが、先生が適宜対応してくださったので、最後まで楽しく授業に参加することができたと思います。

 ・スポーツ臨床医科学

専門分野が全く異なるので、授業内容を理解することができるかが心配でしたが、スポーツ医科学の現状との課題、展望などを現場の専門家である先生が詳しく説明してくださったので理解しやすかったです。

何よりも、いかなる質問に対しても親切に対応してくださった点、単なる疑問点に関しても関連する専門資料やデータ、実例を挙げながらわかりやすく説明してくださった点が、とてもよかったです。心配なく気楽に、楽しく参加することができました。

また、医学系の論文の探し方、そして論文の読み方を学べることができました。主専攻の論文はよく読みますが、異なる分野の論文にはなかなか触れる機会はなかったので、非常に貴重な経験をしたと思います。医学系の論文はこういうものだ、ということがわかったので、今後もし何か知りたいことがあったら、自分も医学系の論文を探して勉強することも十分できると思うほど自信が付きました。

 

―プログラムの受講により、研究に良い影響はありましたか?

特に、「疫学総論」では、チームで仮の研究計画を立てるんですが、医学系研究科の学生の皆さんの研究計画の立て方がとても上手で勉強になりました。一見、文系と医学系って全然別の分野ですが、どんな研究をするかが違うだけで、研究のやり方や研究計画を立てる段階の基本的な考え方は全く一緒だったんですね。その中で、「あっ、こういう風に考えることができるんだ」といった研究のイメージを作る時の考え方を学ぶことができてすごく面白かったです。

例えば、疫学の研究計画を立てるときに、どんなことを考慮するのかということをみんなで話し合うんですが、本当に似てるんですね。その中で、医学の原因と結果がはっきりしているところからのアプローチを学んだので、そこを活かして、言語の研究に対しても、そういう考え方を反映させることはできるのかなと思いまして、今やっている研究がより面白くなりそうっていう気持ちになりました。

 

―副専攻/高度副プログラムの受講により、将来に良い影響がありそうですか?

あると思います。スポーツに関して言いますと、スポーツって2020年東京オリンピックもあって最近結構注目を浴びていますが、「医科学」という観点からもスポーツを理解して楽しめるのがまず一つあると思います。

そして、もう一つは自分がスポーツをするときですが、少しでもそれと関係しそうな専門知識を持っていた方がいいと思いますね。特に、怪我への可能性を知覚して、怪我をどのように予防するかということです。そうするためには身体を動かすときに、身体のどこをどのように使うかを理解しなければならないですね。ですから、単純にスポーツを楽しむ以上に、色んなことを工夫するわけですから、効率よく元気に楽しめることができるということです。私は今趣味でヨガをやっていますが、実際、多くのヨガの先生はその辺の知識を持っていまして、聞く側は動作、または動き一つ一つに意味があることがわかった上で動けます。その際にやはり聞く側もある程度知識を持っていないと説明を聞いても何が何だかわからないですので、理解するための知識が必要になります。そして、もし機会があれば、他の人にもヨガのいいところを知ってもらいたいなと思っていまして、今後専門的に勉強していこうと考えています。プログラムを受講しながら、自分がこれからスポーツを楽しめるための、そして教えるための基本知識が得られました。これからもっと勉強していかなければならないですが、色んな面で良いきっかけになったというのは間違いないと思います。

 

―主専攻との両立をどう工夫していますか?

ずっと自分の研究ばかりをやっていると、モチベーションが上がらない時があるんですけれども、研究で疲れた時に全然違うことを勉強することによって休ませるというか、両立というよりは、リフレッシュの時間として自分の研究に良い影響を与えていると思います。

 ―副専攻/高度副プログラムおすすめのポイントや受講を検討されている方へのメッセージをお願いします。

修士でも博士でも言えることですが、主専攻だけで自分の研究のことしか考えないと、視野が狭くなりがちですので、是非、他の世界にも目を向けて欲しいと思います。

「スポーツ医科学研究プログラム」は、医科学系とか理系の方は重なることが多いと思いますが、文系の人にとっては別世界というか、文系としては触れないところに足を踏み出してみることで、新たな世界が広がると思います。是非、チャレンジしてください!

―ありがとうございました。

副専攻/高度副プログラム